僕たちは年を取るにつれて太りやすくなる!?
『基礎代謝量』の低下
20歳以上の肥満の割合を知っていますか?
男性で33% 女性で22.3%です。
肥満の割合は年齢が上がるにつれて大きくなります。
その理由は、「基礎代謝が低下するから」です。
人の基礎代謝は男性なら18歳、女性なら15歳頃をピークにゆっくりと低下していきます。
基礎代謝とは体温維持・心臓や呼吸など、「人が生きていくために最低限必要なエネルギーのこと」です。
何もせずに、寝ているだけでも消費されるエネルギーが基礎代謝です。
僕たちはじっとしているときでも、心臓などの内臓や脳・神経の働きや、呼吸などを正常に保つためにエネルギーを必要としているのです。
人の臓器・組織における安静時代謝比率は、骨格筋が22%、脂肪組織が4%、肝臓が21%、脳が20%、心臓が9%、腎臓が8%、その他が16%となっています。
基礎代謝は僕たちが1日に消費するエネルギーの約70%を占めています。
ですから、「基礎代謝がもともと多い人は痩せやすい」ということになりますね。
年を取るにつれて基礎代謝が減少する理由としては、「筋肉量が減るから」「細胞が生まれるサイクルが遅くなるから」などと言われています。
つまり、「基礎代謝が低下しているのに若いころと同じような食生活をしていると太る」ということになりますね…。
『脂肪細胞』の老化
カロリンスカ研究所の新しい研究によると「脂肪細胞が老化してしまう」ということも年を取るにつれて太りやすくなる理由です。
年を取ると、脂肪細胞が老化して、代謝効率が低下し、太りやすくなる、ということです。
太っている人は太りやすい!?
太りやすい人とは、「今太っている人」です。
まさかの、太れば太るほど太りやすくなる、という負のスパイラルに陥ってしまうのです!
そのため、今、太りかけている人は特にこれ以上太らないことが大切です。
これ以上太ると、どんどん食欲を抑えられなくなって、さらに太ってしまうということが分かっているからです!
ですから早めに手を打つことが大切ですね。
『レプチン』が鍵を握る
太っている人が太りやすくなる鍵となるのが『レプチン』というホルモンです。
このレプチンとは、「食欲を抑えてくれるホルモン」のことです。
僕たちがある程度食べると、基本的にはこのレプチンが正常に働き、満腹となり、それ以上食べなくなります。
しかし、内臓脂肪がたまると、レプチンが正常に働かなくなり、食欲を抑えられなくなります。
そのため、太っている人はレプチンが正常に働かなくなり、食欲が抑えられないので、さらに太るという結果になるのです。
そのため、負のスパイラルに陥る前に手を打つことが大切です!
けれども、ダイエットに成功する人が少ないのも事実なんですよね…。
2倍も痩せられる科学的テクニック
方法:『自分が食べたもの』と自分の『体重』を記録し追跡する
1つ目のルールは「記録」です。
運動を追加したり食事を変えたりする必要はなく、「ただ記録するだけ」です。
意志力もあまり必要ありません。
研究によると自分の食べたものと体重を追跡するだけで体重減少を2倍にすることができることがわかっています。
「自分が何を食べたのか?」ということを自分で記録などして自分を監視することは、
「肥満における行動療法の基礎」とされています。
そして研究の結果「自己モニタリングの頻度が体重減少と正に関連している」と判明しています。
つまり、「食べたものと自分の体重のモニタリングをすればするほど、体重を減少させることができる」ということです。
今回のような「体重を減らす」ということだけではなく、
「食生活」そのものを変えたいのなら食事日記をつける、
「メンタル」を健康的にしたいのなら寝る前に今日起きた良いことを3つ書き出す、ひたすら自分の感情を書き出す手法が有効です。
「記録をつける」「自分をモニタリングする」といったことが、僕たちに様々なメリットをもたらすのですね。
そしてそれは「体重を減らす」ということにも有効だということです。
アプリを用いた実験結果
105人の太りすぎとされている被験者に、「自分が食べたもの」と「体重」が記録できる無料のアプリを使用してもらい、
3か月間のモニタリングを行いました。
ポイントは「ただモニタリングしただけ」ということです。
食べるものや運動など、一般的に体重減少に効果的とされている指示を出しませんでした。
その結果、「平均3.5kgの体重減少」がみられ、
そして、最も体重を減らした人は、「自分の食べたものと体重を最も熱心に記録し追跡した人」だったのです!!
無料のアプリのおかげでアメリカ人は自分の体重を管理するようになったが、それが体重を減らす効果があるのかは不明でした。
しかし、今回の研究結果によって「無料アプリで記録することが、体重を減らすことに役立つということ」を示すことに成功しました。
したがって、食事と体重を一貫して追跡でき、自分に合ったアプリを活用することが、
厳しい食事制限や運動をすることなく体重減少を実現できる、最も簡単な方法だということが分かったのです。
もちろん、アプリではなく「日記やノートに記入する」などでも十分な結果を得ることはできると思います。
『健康的な食事の量』を増やす方法
僕は、健康に関する本を20冊以上読んできましたが、その中で分かったことは、「食事ほど僕たちにとって重要で、食事ほど私たちに大きな影響を与えるものはない」ということです。
食べ物とは単なる食べ物ではなく、食べ物とは「情報」です。
食べたものにどんな成分が含まれているか、僕たちの身体はしっかりと認識し食べたものを使って僕たちの身体を構成していくのです。
僕たち体は約37兆個もの細胞でできています。
そしてそのひとつひとつの細胞が栄養素を取り入れたり、老廃物を排出するための重要な役割をもつ細胞膜をもっています。
この細胞膜の材料が「油」です。
『トランス脂肪酸』と『オメガ3脂肪酸』
よく、「トランス脂肪酸などの身体に悪い油を避けて、オメガ3脂肪酸を摂りましょう」と言われます。
トランス脂肪酸とは脂質の構成成分である脂肪酸の一種です。
植物油などからマーガリンやショートニングなどを製造する際や、植物油を高温にして脱臭する工程で生じます。
また、天然でも牛などの反すう動物に由来する乳製品や肉に含まれています。
オメガ3脂肪酸は、体内の様々な機能にとって重要な多価不飽和脂肪酸に属しています。
オメガ3脂肪酸のEPAやDHAは、脂肪が多い魚(例えば、サケ、マグロ、マス)や、
甲殻類(例えばカニ、ムール貝、カキ)のような海産物に含まれています。
平均的な日本人より多いトランス脂肪酸摂取量を基にした、諸外国の研究結果によると、
「トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞など冠動脈疾患が増加する可能性が高くなる」とされています。
また、肥満やアレルギー性疾患についても関連が認められています。
一方、海産物を多く含む食事と心疾患に関する研究によると、
「週1回以上海産物を食べる人は、稀にしか食べない、もしくは全く食べない人と比較して心疾患が原因で死亡する可能性が少ない」ようです。
もし、身体に悪い油を摂ってしまうとその油を材料に細胞膜が作られてしまいます。
劣悪な材料で作られた家が簡単に壊れてしまうように、劣悪な油で作られた細胞は、僕たちの身体のあちこちに不調を起こしてしまいます。
このように、僕たちが口にするものが僕たちの血となり肉となり、どのように動くかを決定するのです。
どうすれば健康的なものを食べる『頻度』を増やせるのか?
約2万人を対象に行われた信憑性の高い研究によると、「毎日の行動を記録した方が健康的な食事の量が増える」ということが分かりました。
さらに、「記録の回数が多ければ多いほど、食習慣は改善される」ということも分かっています。
そのため、ダイエットが必要でない人でも、より良い食習慣に変えたい人にも、記録をつけることはおすすめと言えますね。
僕も、ダイエットこそ必要とはしていませんが、記録をつけることで、明らかに健康的な食事をする回数が増えたと実感しています。
コツコツと記録することで、良い行動が増え結果的に大きな差となりますので、
「たかが記録」と馬鹿にせずに、ぜひ一度ご自身で記録をつけてみて、その効果を体感してみて欲しいです!
まとめ
僕たちは年を取るほど太りやすくなるため、「記録」という科学的なテクニックを用いて体重をコントロールすることが大切です。
さらに同じ手法を用いて、より健康的な食事の頻度を増やし、
「どのように自分の行動が変わるのか?「自分の習慣が変わるのか?」
具体的に「記録」のメリットを体感してほしいと思います。
この「記録」は細かく記す必要はなく、まずは「記録する」「始める」ということが重要です。
まずは少しずつがんばっていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございます。
また別の書籍でお会いしましょう!