はじめに:若返るには「○○○○」を伸ばせ！
年々思うように動かなくなる体。積み重なっていく疲労。衰えていく見た目。
それにくらべて、同じ年なのに、自分と違って生き生きとして見える、あの人。
「なぜ！？わたしとなにが違うの？」
こんなことを思ったこと、ありませんか？
「きっと費やしている費用が違うんだ」「化粧を濃くして、若作りしてるから」「家系や遺伝のせいね」
などと無理矢理自分を納得させているものの、違いは歴然。
ガックリすることも、しばしば。
でも、いつまでも若く、元気で居られる秘訣があるとしたら・・・
知りたくなりませんか？
そしてさらには「若返る」ことができたら嬉しいですよね。
本記事ではその秘訣に迫ります！
1.『若返り』とはどういうことか？
「若々しい」「老けている」なんてよく言いますが、人間の年齢はいろいろなところに出ます。
例えば、肌だとシミ、しわ、毛穴の開きなどで、人は相手の年齢を推し量ったりします。
同じ年齢の人と過ごすとき、僕たちはついつい自分と相手をくらべてしまいます。
「え〜！若く見える〜！」と言われれば、その日は一日中、いい気持ちでいられるのが正直なところですよね。（笑）
女性だけに限らず、男性でも「若々しくいたい！」という想いを持つ人が増えてきましたね。
ところが、「見た目」だけではなく、人間の「細胞」にも年齢があることをご存じでしょうか？
その「細胞」の年齢が僕たちの若々しさを決めていたのです！
1-1:若々しい人たちに共通しているのは○○○○だった！？
僕たちの若々しさ決定づけるある細胞の老化度。
それは「テロメア」という、「遺伝子の中にある染色体の末端部分の長さ」で決まります！
(小難しいですが、つまり「テロメア(細胞の一部)の長さ」)が老化度合いと関係しているよ！のいうこと)
要するに、「若々しい人たちほど『テロメア』が長い」ということですね。
1-2:『テロメア』とは？
僕たちの細胞は日々、分裂して増えていきます。
しかし、細胞が増えすぎても困ったことになります。
例えば、癌細胞は無限に増えますが、体に害を与えます。
つまり、細胞は分裂しすぎてもいけないのです。
場合によっては、細胞も死ぬ必要さえあります。
そのためには、細胞の分裂を制御するものが必要なのです。
その制御を担うものが『テロメア』なのです。
細胞が分裂すると、遺伝子もコピーされますが、コピーされない部分もあります。
このコピーされない細胞を『テロメア』と呼びます。
コピーされないテロメアは、細胞が分裂する度にだんだん短くなってくるのです。
そして、短くなりすぎて、もうこれ以上分裂できなくなると、その細胞は死滅します。
テロメアは一般的に、赤ちゃんは長く、高齢者は短くなっています。
年齢が同じでもテロメアの長さには差があり、個人差が大きくなっています。
このテロメアの長さが「見た目の差」に表れます。
1-3:細胞の『年齢』とは？
細胞の分裂と死滅は、僕たちの体の中のあちこちで起こっています。
たとえば、肌で細胞が死滅すると、シワができたり、肌の潤いが失われる、など老化にかかわる現象が起きます。
それは「テロメアが分裂を繰り返して、もう分裂できないところまで短くなってしまった」という証拠でもあります。
逆にいえば、テロメアを短くしなければ細胞の老化は起こりません。
すなわち、「テロメアを伸ばすことができれば、若さを取り戻せる（＝若返る）」とも言えます。
2.テロメアを伸ばすには？
ここで、テロメアに関するブリガムヤング大学のデータをご紹介します。
これはアメリカで行われた栄養調査の中から5823人の健康データを使ったものです。
この5823人の普段の運動量と、その人たちのテロメアの長さを分析しました。
先に述べたように、テロメアが長ければ長いほど、細胞の年齢が若々しいわけです。
さぁ、気になる研究の結果は・・・・・
2-1:『運動』でテロメアを伸ばせる！？
「テロメアを伸ばすのに運動は役に立つ！」
という嬉しい結果に！！！
そう！「テロメアは運動によって長くすることができる」のです！
しかし、この研究で「多少の運動ではテロメアは長くならない」ということも同時に判明したのです…..。
2-2:『ウォーキング』でもテロメアは伸ばせるの？
では、具体的にどれくらいの運動をすればテロメアを伸ばせるのでしょうか？
まず研究結果としては、「かなり激しく運動をしている人は、そうでない人に比べてテロメアが9年分も長くなっていた」ということがわかっています。
でも、みんながみんな「かなり激しい運動」なんでできませんよね？（苦笑）
それでは、今まで運動をしなかった人が、テロメアを伸ばすために運動をするとしたらどうでしょうか？
残念ながら、「ウォーキングのような軽い運動」をしてもテロメアを伸ばす効果はありません。
確かに、軽い運動でも健康にいいことは間違いありません。
ですが、軽い運動ではテロメアを延ばすほどの効果、つまり「細胞レベルの若返りを期待するほどの効果はない」というのが研究で明らかになった事実なのです…。
2-3:『9年も細胞を若返らせる運動』が明らかに！
「じゃあどのくらい運動すればいいのか？」
とみなさん考えると思います。
そんなみなさんに超朗報！！！
先の研究で「9年も細胞を若返らせてくれる運動」の目安も明らかにされています！
結論から言うと、「女性の場合は時速七キロから八キロぐらいのジョギングを1日30分、週5回やる」というぐらいの強度です。
一方、「男性の場合は40分走るくらいの運動」くらいの強度。
走るスピードは、だいたい「歩くスピードの倍ぐらいのスピードで走る」と覚えておきましょう。
運動の種類は問いませんが、激しさでいうとテロメアの長さを伸ばすにはこのくらいの強度が必要だということです。
2-4:『見た目年齢』と『実年齢』の違い
見た目が「明らかに年齢よりも若く見える人」や「年齢の割には活力的に行動してる人」っていますね〜。
あのような方たちの共通点が「活動が活発」ということです。
簡単な話、動けば動くほど、テロメアは長くなります。
そして、テロメアが長くなるので、若返っていきます。
さらに肉体が若いから、またどんどん動けるという『好循環』が生まれるのです。
実際、周りで筋トレや日々の運動に励んでいる人って、なぜか若々しく見えませんか？
ちょっと厳しいかもしれませんが、「生物学的に細胞レベルの老化を遅くしたいのであれば、すこし激しい運動をほぼ毎日しなければならない」ということなのです。
事実、研究者の見解でも「実年齢といわゆる生き物として物理的な年齢は一緒だとは限らない」と言っています。
「若返りたい！」とか、「自分の健康をキープしたい！」とか、「見た目もきれいでいたい！」と思う方は、ぜひ生活の中に運動を取り入れてみてください。
最初は軽い運動からでも、だんだん強度を増していけば、テロメアを長くすることができますから！
3.運動以外でテロメアを伸ばす方法もある！
ここまで読んで「わたしそんなに運動できない…..」と思う方もいるでしょう。
そんな方のために「運動以外でテロメアを伸ばす方法」についての研究もご紹介しておきますね！
3-1:「健康的な食生活」を送る
まずはカリフォルニア大学予防医学研究所の研究です。
この研究では、35人の男性のうち10人にライフスタイルの改善を指導しました。
改善の内容は、「低脂肪で野菜や果物の多い食事」「週5回以上の有酸素運動」「ストレス管理」などです。
まぁいわゆる「健康的な生活」をしてもらったということです。
その生活を5年行った後、対象者の採血をしてテロメアの長さを測りました。
(5年も研究内容に沿いながら生活してたって、それだけでもかなりすごいよね。笑)
さてさて、気になる研究の結果は・・・
「何もしなかった人たちのテロメアが3％短くなっていた」のに対し、「指導を受けたグループは逆に10％長くなっていた」のです！！
この研究では運動の要素が入っていますが、他にも食事やストレスなどもテロメアの長さに関係していることがわかったのです！
3-2:「椅子に座っている時間」を短くする
「他の要素も関係しているかもしれない」という別の研究についてもお伝えします。
それはスウェーデンで平均68歳の49人を「運動するグループ」と「運動しないグループ」に分けて、運動とテロメアの関係を調べた研究です。
結論から言うと、6カ月間運動を続けた人たちは体重や体脂肪率が減少しました。
しかし！意外なことにテロメアの長さは運動「量」とは関係しなかったのです。
研究チームはそこに疑問を持ち運動とは別に「1日に座っている時間」を調べてみました。
すると、「座っている時間が短い人ほどテロメアが長い」という事実が明らかになったのです！
つまり、「テロメアを長くするほどの運動は無理でも、椅子に座っている時間を短くすること（＝こまめに動くこと）が若々しさを保つ」秘訣だということです。
最近は椅子に座っていること、「セデンタリー」（=Sedentary、じっと座っていること）が健康に良くないという認識が広まってきましたね。
WHO（世界保健機関）は「セデンタリーは、がん、糖尿病、心臓病のリスクを高める」と警告しています。
オフィスによっては、立ったままで仕事ができるようなデスクを用意しているところもあります。
有名な企業の例では、Googleやアップル、国内企業では楽天やマニュライフ生命で導入されています。
僕たちも、こまめに動いて、若々しさを保ちましょうね！
まとめ
・僕たちの実年齢は肉体の年齢とは一致しない。
・肉体の年齢は細胞の年齢を決めるテロメアと関係する。
・テロメアを長くすることは、細胞レベルで若返ることと同じ。
・激しい運動を週に５回以上行うことで、テロメアを長くできる。
・テロメアは、「健康的な生活」を送ることで伸ばすこともできる。
・一日に座っている時間が短いほど、テロメアが長いという研究結果もある。
いかがだったでしょうか？
見た目の若々しさは、細胞レベルでの若さが関係しているんですね〜。
そして、「運動」や「食事に気をつけること」でも若さを回復させることができることもわかりました。
最初は難しくても、運動の習慣をつけて、激しい運動も続けられるようになりたいものですね！
お読みいただき、ありがとうございました！
また別の記事でお会いしましょ〜う！
参考文献
