食欲を上手にコントロールするには!?
みなさんは「科学者たちが語る食欲」という本をご存じですか?
これはシドニー大学の生物学者であるデイヴィッド・ローベンハイマーさんとスティーヴン・シンプソンさんによって書かれた本です。
簡単に言うと”食欲を上手にコントロールする方法”が書かれています。
みなさんもこの”食欲”に惑わされた事があるのではないでしょうか?
例えば、こんな経験はありませんか?
焼肉屋さんでまだ食べられると思って注文したのに、お腹がいっぱいになり残してしまったり。
ご飯を食べたばかりなのに、カップラーメンやポテトチップスに手を出したり。
深夜に罪悪感を抱きながらお菓子を食べてしまったり・・・
あげだしたらキリがありませんね。(笑)
僕もそんな”食欲”に惑わされている1人です。
そもそもこの”食欲”ですが、
ただお腹が空いているから食べたくなっている訳ではありません。
実は食欲というものには大切な意味があって、「体内で足りない栄養素があること」を教えてくれています。
つまり、「僕たちの身体が欲している栄養素を知り、それを摂取することができれば少しの量で満足し、食べすぎも防ぐことができる」という訳です。
これができればとても健康的ですね。
今回は僕自身、大変勉強になった「科学者たちが語る食欲」の本をもとに、食欲をうまくコントロールする方法をご紹介していきたいと思います!
生物学者が『BIG5』と呼んだ栄養素たち
冒頭で”食欲”には意味があり、身体が求めている栄養素があることを教えてくれている。
という話をしましたが、そもそもどんな栄養素があるかはご存じですか?
この本の中では「BIG5」と呼ばれていますが
大きく分けると以下の5つになります。
①タンパク質
②炭水化物
③脂質
④ナトリウム(塩分)
⑤カルシウム
この5つのどれかが不足すると身体は”食欲”を感じます。
運動した後にしょっぱいものを食べたくなったことはありませんか?
これは「汗により不足した塩分を身体が求めていた」という証拠です。
こんな風に足りない栄養素を教え、それを補うためにあるのが”食欲”なんですね。
栄養素にも『優先順位』があった?
「BIG5」と呼ばれる栄養素たちには、なんと優先順位があります。
その第1位は”タンパク質”です。
タンパク質というのは、肉、魚、卵、大豆などが該当します。
また「お腹が空いた」と感じるのは「タンパク質が足りていません!」という身体からのサインです。
なので「深夜にお腹が空いて食べたとしても、肝心なタンパク質が少なければ、身体は満たされない」ということです。
空腹時に食べがちなお菓子や炭水化物よりも、肉や魚を身体は求めていたんですね。
なぜ『タンパク質』を欲しているのか?
様々な時に襲い来る”空腹”は”タンパク質不足”が原因でした。
では、そのタンパク質は僕たちの身体の何に使われているのでしょうか?
驚くかもしれませんが、僕たちの身体はほとんどタンパク質でできています。
筋肉や骨、髪、爪に皮膚、血管やホルモン、酵素に至るまでタンパク質が材料になっているのです。
肌荒れや爪の割れ、元気が出ない、なんて言うのもタンパク質不足が原因です。
不健康はタンパク質不足から始まっていたのですね。
ちなみにこれは豆知識になってしまうのですが
タンパク質を欲しているのは人間だけではありません。
虫の中に共食いをしてしまうものがいますが、あれもタンパク質を欲しているのが原因です。
それくらいタンパク質という栄養素は身体にとって大切というのがわかっていただけたでしょうか?
「空腹はタンパク質不足から」で覚えてくださいね。
簡単にわかる『タンパク質必要量』の調べ方
結論から言ってしまうと、
残念ながら、必要量のタンパク質が得られるまで食欲は止まりません。
人間の身体には、1日に必要なタンパク質量というものがあります。
「どうやって必要量を調べればいいの?」と思われたのではないでしょうか。
調べ方を2つご紹介します!
ベネディクト法
1つ目は「ベネディクト法」です。
タンパク質だけではなく、何事も必要量は個人差があり、年齢、身長、体重、運動量になどによって変わってきてしまいます。
『正確な数値が知りたい!』という方はぜひ検索してみてください。
自分の体重×1~1.8=1日に必要なタンパク質量
2つ目は「自分の体重×1~1.8=1日に必要なタンパク質量」で計算する方法です。
例えば、50㎏の人の場合
運動していない人は「50㎏×1=必要量50g」
運動している人は「50㎏×1.8=必要量90g」となります。
『ザックリでいいから知りたい!』という方はこちらをお試しください。
「タンパク質が欲しいのに違う物を食べてしまう!」理由とは?
「お腹が空いた!」と思ったら満たされたくて
ついつい簡単に食べられる周りにあるものを食べてしまいませんか?
お菓子やファーストフードがそれにあたるかと思います。
それはなぜなのか?
牛肉とポテトチップスのタンパク質量を比べて考えてみましょう。
牛肉には100gあたりタンパク質が26gありますが
ポテトチップスには100gあたりタンパク質が4.7gほどしか入っていません。
牛肉と同じ26gをポテトチップスだけで摂取しようとしたら、8.4袋は食べないといけない計算になります。
ここまでの話を知っていれば「牛肉を焼いて食べた方が食べすぎることなくお腹を満たせる」とわかります。
「お腹を満たすにはタンパク質が必要だ」と知っている人からすれば、ポテトチップスをいくら食べてもお腹を満たせないことはわかっているのです。
逆にわかっていないと、「胃がいっぱいになっていないせいだ!」と思いお菓子を食べ、満たされずに次のお菓子を食べ、満たされるまでタンパク質量の少ない物を食べ続ける・・・
という事になります。
分かってはいても食べてしまうこともあるかもしれませんが、肥満の原因にもなるので注意しましょう!
『食物繊維』は食欲のブレーキ係!
ここまで「タンパク質が食欲を満たす栄養素だ」という事を話してきました。
さてさて、記事の冒頭で焼肉屋さんで『追加注文したらお腹がいっぱいになって~』という例え話をしたのを覚えていますか?
タンパク質であるお肉を食べていたのに食欲に惑わされてしまっています。
なぜなのでしょうか?
厄介なことに「タンパク質でお腹が満たされたよ!」と脳が認識するまでには少し時間がかかります。
ここで満腹をタンパク質より先に脳に知らせてくれるブレーキ係をお伝えします。
それは「食物繊維」です。
食物繊維が豊富な食べ物には、
野菜、豆類、キノコ、芋、全粒穀類などがあります。
なぜ食物繊維が早く満腹を知らせられるのかというと、胃腸を早く膨らませ、消化速度を遅くする働きがあるからです。
さらにお通じをよくする効果も期待できます。
よく言う『バランスの良い食事』というのはこういったことが理由になっているのでしょう。
ちなみに、お米も穀類なので食物繊維が含まれているわけですが、白米よりも玄米の方が多く食物繊維を含んでいます。
微々たることかもしれませんが、気になる方は取り入れてみてくださいね。
『超加工食品』の罠
僕たちの”食欲”を満たすには「タンパク質と食物繊維を摂る」という、とても簡単なことで達成できるものでした。
なのに、なぜ食べすぎや肥満などの不健康な人が多いのでしょうか?
この理由が「超加工食品」と「化学調味料」に隠されていました。
順を追って話しましょう。
まず「超加工食品」は高度な加工済みの食品や工業的な過程があるもの、常温保存や日持ちの良くしてある食品の事を言います。
お菓子、アイス、ファストフードなどはこの「超加工食品」です。
次に「化学調味料」は高果糖コーンシロップ、トランス脂肪酸、着色料、乳化剤、香料、甘味料、艶だし材、チキンエキスなどのことです。
思い当たる名前がたくさんあるのではないでしょうか?
このキッチンや自然界には存在しない調味料たちは著者たちに「シャンプーやペンキと同じ工業製品だ」とまで言われています。(笑)
胃腸の調子が悪い人がこの工業製品をよく摂取しているのだとしたら、これが原因の可能性が高いのではないでしょうか?
『食べすぎ』と『タンパク質』
先に話した「超加工食品」にはタンパク質が少ししか入っていません。
なんとタンパク質が少ない方が美味しいのです。
さらに、タンパク質を多く含んでいる物は高価になりがちです。
プロテインなどがそうではないでしょうか?
こういったことから、僕たちは「超加工食品」を食べすぎてしまう訳です。
著者たちはこの状況を「現代社会は、破滅的な食環境になってしまっている」と言うほどです。
解決策はあるのか?
スーパーやコンビニなどに行けばこの「超加工食品」が溢れていますが
僕、たちが気を付ければ、摂る量を減らすことは可能です。
「超加工食品を食べる前に肉や野菜を摂取する」「そもそも買わない」などで解決できます。
恐ろしいことに、超加工食品たちは家にあるとついつい食べたくなってしまう物なのです…。
『大量生産され続ける』理由とは?
たくさんの企業が超加工食品を生産し続けるのはなぜでしょうか?
身体に悪いことを知らないはずはないと思いますし、美味しいから勧めているという訳でもないでしょう。
ズバリ!儲かるからです。(笑)
食べた人が目に見えて不健康になれば生産されなくなるかもしれませんが、、即効性がある訳ではないのでこれからも生産され続けるはずです。
自分の身を守るために食生活には気を付けましょう!
タンパク質は摂りすぎもNG!意外な落とし穴
タンパク質を摂らないとお腹が見たされない話を耳にタコができるほどお話してきました。
『じゃあたくさんタンパク質を摂ればいいのか?』というと、そういうわけでもありません。
残念なことに「タンパク質を摂りすぎると老化が早まり、寿命が縮まってしまう」ようになっています。
これは人間に限らず、すべての生物に当てはまるそうです。
自分の適量を知らずに、実はタンパク質を摂りすぎてしまっていた!
なんて可能性もあります。
もう1度言いますが、必要量は「ベネディクト法」を検索、
もしくは「自分の体重×1~1.8」で計算してみてくださいね。
何事も適量が大切です。
世界のご長寿地域の人々の食生活から学ぶ『タンパク質との付き合い方』
世界には100歳以上の長寿の方々の人口が最も多い地域というものが存在しています。
「ブルーゾーン」と呼ばれています。
実は、日本の沖縄もこのブルーゾーンに入っています。
この地域では地中海料理がメインとなっており、野菜、芋、果物、豆、ナッツを中心に、週に数回の魚や卵、肉に関しては月に数回しか食べないそうです。
このことからタンパク質の中でも、「肉より魚やナッツ類から摂った方がより健康的でいることができる」ということです。
健康でご長寿を目指すなら、「何からタンパク質を摂取するのか?」も意識するようにしましょう!
世界のご長寿地域の人々の食生活から学ぶ『食べ方』
ブルーゾーンの方々から学べることがもう1つあります。
それは『食材を丸ごと食べること』です。
「丸ごと」とはどういうことかというと、
大多数の人はリンゴを皮を剥いて食べると思いますが、ブルーゾーンの方々皮も一緒に食べています。
これはナッツや芋、お米にも同じことが言えます。
丸ごと食べることでなにが起こるのでしょうか?
なんとタンパク質と一緒に摂るべき栄養素「食物繊維」をしっかりと摂取することが出来るのです。
僕たちは知らず知らずのうちに、大切な食物繊維を削ぎ落して食べているがために
”食べすぎ”という状況に陥ってしまっているのかもしれません。
『食べない時間』を作るベストなタイミングとは?
よくダイエット法などで「夕飯を早く済ませ、その後間食しない」と言われています。
食べない時間に身体は細胞・DNAの修復をしているため、食べない時間を設けることが健康に良いと言われています。
本書の中では「夜18時ごろに夕食を済ませ、その後間食しない」という方法を勧めています。
無理な断食は反動で食べてしまう可能性もあるので、自分に合ったペースで食べない時間を設けましょう。
まとめ
いかがでしたか?
”食欲”という感情の意味から”食欲”を止める方法やタンパク質、食物繊維の効果、超加工食品に、ご長寿に習った食生活の話をしてきました。
急にすべてを実行に移すのは難しいかもしれませんが、あなたの”食欲”と向き合うきっかけになれば幸いです。
今回は僕が最近読んだ本で特に学びになった『科学者たちが語る食欲』をご紹介しました。
たまにはこういう記事もいいでよね。(笑)
最後までお読みいただきありがとうございます。
また別の記事でお会いしましょう!