運動で脳を覚醒させよう!
『運動』をすることは、僕たちが思って以上に素晴らしいメリットが山ほどあります!
「集中力アップ」「記憶力の改善」「想像力の向上」「モチベーションアップ」
それ以外にも、「ストレス軽減や幸福感」にも影響し、「うつ病や不安障害のリスクを減らす効果がある」なんてこともいわれています。
そう。とにかくたくさんのメリットが運動には秘められているのです!
そこで本記事では、「運動『脳』を理解して、生活の質を向上させていくヒント」をお伝えしていきます!
運動は脳の各領域の連携を強化する
まずは、『脳』の仕組みについてみていきましょう!
脳の良し悪しは、「脳の各領域がしっかり連携していること」で決まります。
例えば、ピアノを練習する場面でまずピアノの前に座ると「白と黒の鍵盤」という視覚的な情報が脳に入ります。
次に、脳は「弾く」という指令を出し、音が出たら脳は耳から情報を受け取ります。
その音を聞いた後、次の鍵盤を押すという行動を繰り返してピアノを演奏していきます。
これらは、「見る」「指を動かす」「聞く」といったそれぞれの脳の別の領域が担っています。
このとき各領域の連携がスムーズであればあるほど上手にピアノを弾くことができます。
そして運動にはこのような脳の連携を強化する効果があります。
つまり簡単に言うと「運動をすると脳のパフォーマンスが上がる」ということです。
運動は『ストレス』を低減させる
身体を動かすことは「うつ」や「不眠」などのストレスによる疾患予防になるとされています。
嫌なことや辛いことがあるなど身体が脅威を感じると、脳からあるストレスホルモン『コルチゾール』が分泌されます。
そしてこのホルモンは、「副腎」という器官を刺激し、副腎からコルチゾールという、別名「ストレスホルモン」が分泌されます。
血中のコルチゾール濃度が増え、心拍数が上がることでストレスを感じている身体の状態がつくられます。
また「このストレスを感じている身体の状態が脳に刺激され、新たにコルチゾールが増えてしまう」という悪循環に陥ることもあります。
この状態が限界をこえると「パニック」に陥ってしまいます。
このような状態のなか重要な役割を果たすのが脳内の「海馬」です。
海馬は記憶を統治する器官として有名ですが、それだけではなく「感情を暴走させないためのブレーキの役割」も担っています。
つまり、「海馬がストレスから身体を守ってくれる」ということです。
救世主の海馬と思いきや、この海馬の細胞は過度のコルチゾールにさらされ続けると死滅してしまいます。
そこで身体を動かすことによって海馬が強化されるため、運動することが重要になります。
運動によって無敵となった海馬がストレス反応にブレーキをかけることによって、ストレスに強い身体がつくられていきます。
運動は『集中力』をアップさせる
脳にもたらす効果は『集中力のアップ』です。
そもそも「集中」とはどのような状態なのでしょうか?
集中とは、「周りの物事を気にしないこと」です。
このとき活躍するのが頭の中にある「前頭葉」という部分です。
前頭葉は情報の処理を担っていますが、周りからの情報が多いと処理されなくなり、集中力が切れた状態になります。
この前頭葉は運動することで活性化されます。
そのため身体を動かすと周りからの情報をスムーズに処理できるようになり、集中力が高まります。
さらにこの集中力につながるのが「ドーパミン」の分泌です。
ドーパミンは、「脳内麻薬」といわれ今やっていることを続けたくなる作用があります。
例えば、面白いアニメをみていると、どんどん続きが見たくなり、観るのをやめられなくなります。
これはドーパミン分泌が影響しているからです。
そのため、集中したいときには、このドーパミンの性質を利用することがおすすめです。
ドーパミンは「運動した直後から分泌量が上がっていき、それから数時間はその状態が続く」といわれています。
そのため、集中したいことをやる前に身身体を動かしておくとよいですね!
運動で『気分の落ち込み』を防ぐ
運動することで「気分を晴れやかにし、うつ病を防ぐ効果がある」ことがわかっています。
これは「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」という3つの神経伝達物質が関係しています。
まずドーパミンは分泌されることで気分を高め、意欲や活力がみなぎることによって気持ちの落ち込みを防ぎます。
次にノルアドレナリンはドーパミンと同じようにやる気や集中を促す物質です。
ノルアドレナリンが足りないと気分が落ち込み、疲労感を感じます。
逆に多すぎると興奮して落ち着きがなくなってしまいます。
そしてセロトニンは、「興奮した脳を落ち着かせる物質」です。
悩みや不安を和らげ心を落ち着かせる作用があります。
これら3つの神経伝達物質は、身体を動かすことによって分泌量が増えるとされています。
これだけでなくBDNFといって運動することで生成される脳内最強物質があります。
このBDNFは「脳の救助隊」とも呼ばれ脳の細胞が傷ついたり死滅したりしないよう保護してくれる物質になります。
例えば、頭を打った時にも分泌されます。
このBDNFは新しく生まれた細胞の成長を促したり、脳の細胞間のつながりを強化したり、細胞の老化を遅らせたりする効果もあります。
よって、身体を動かしてこれらの物質をたくさん分泌させることで、気分の落ち込みから身を守りうつ病を予防することができるのです!
運動は『記憶力』を改善する
脳は年齢とともに少しずつ縮んでいってしまいます。
脳の大きさは25歳ごろまでがピークで、その後はどんどん小さくなっていきます。
そうすると脳細胞が生まれるよりも、「死滅すること」が上回ってしまいます。
また脳内で記憶を統治している海馬も年齢とともに小さくなります。
そのため年齢を重ねるごとに物覚えが悪くなってしまいます。
しかし、これらの進行を遅くするどころか改善させる方法があります。
それは「週に3回40分間早歩きすること」です。
この運動をすることで、先ほども登場したBDNFを育成させ、これにより海馬の成長が促されます。
また運動は「遺伝子の老化を食い止めることができる」と言われています。
活動内容は年齢とともに衰えることにより、器官の老化につながります。
よって運動をすることで遺伝子の老化を防ぎ、身体も衰えにくくなります。
しかし、ここで1つ注意!
「疲労を覚えるほどの運動は逆効果」になります。
そのため、これまで運動する習慣がなかった人は、まずはウォーキングなど負荷の軽い運動から始めるとよいですね!
運動が『創造性』を高める
運動することは「人間の発想を豊かにする効果」もあります。
実際に「歩きながら考えるとアイディアが出やすい」という実験結果もあります。
運動をするとアイディアが出やすくなる理由は脳内の「視床」という部分の働きが活発になるからです。
視床とは僕たちの視覚情報、音、温度など「様々な情報から脳に伝えるべきものを選別している器官」です。
例えば、店が多く並んでいる街を歩いているとき、意識が向く看板は自分に関係があるものだけではないでしょうか?
周りの情報すべてを意識することになると普通の生活ができなくなるため、視床が意識にあげるものを選別しているのです。
この視床が正常に働くために大切なのはドーパミンです。
このドーパミンの分泌量は多すぎず、少なすぎずのバランスが良い適量のときに、視床が正常に機能し、情報を選別することができます。
発想力を豊かにするために、運動をして意図的にドーパミンの量を増やす必要があります。
そうすること通常より多くのドーパミンの量が増えます。
このとき大量の情報が意識上に流れ込むことで、他の人とは違う視点で物事を捉えるきっかけをつくることができるのです。
運動は『老化』を遅らせる
先ほど、「歳を重ねるほど脳は縮み記憶力が低下していく」と言いました。
実はこれだけではなく、加齢は、思考が遅くなったり、集中力がなくなったり、複数のことを同時にできなくなったり、などの影響も脳に与えてしまいます。
脳は歳を重ねるごとに「若いときに比べ、脳内の広い領域を使わないと課題をこなせなくなる」という特徴があります。
しかし、「体力のある高齢者ほど脳の労力は少なめ」になります。
これには『カロリーの消費量』が関係しています。
加齢による脳の萎縮は、よく動いてカロリーの消費量が多いほど遅くなります。
運動する習慣があって長年カロリーを消費し続けた人は脳が若いまま保たれます。
これは過酷な運動が必要ではなく、「毎日20分歩くだけ」でも十分な効果が得られます。
まずは毎朝のウォーキングからですね!!
『少しの運動』でも十分価値がある
ここまでで運動が脳に良いことが分かったと思います。
ただ、具体的にどのような運動をするとよいのかについてまだ明確な答えはありません。
しかし、わずか一歩でも歩くことでも脳のためになるとされています。
1つの目安とされているのは「30分間のウォーキング』です。
これを継続していると脳に高い効果が望めます。
脳を最高のコンディションにしたい場合、週に3回45分以上のジョギングをすることがおすすめです。
「少し息が切れる程度の持続的な運動」を習慣化することによって、あの最強物質であるBDNFが多く生成されるようになります。
BDNFを増やすには「心拍数を上げること」と「有酸素運動をすること」がカギになります。
運動をし始めたらあとは継続することが大切です。
だいたい半年後から目覚ましい効果を実感できるでしょう。