はじめに:世界一簡単な睡眠テクニック
私たちが生きていくために、絶対に欠かせないものの1つ「睡眠」。
睡眠が脳や身体に及ぼす影響には、その時間数よりも『睡眠の質』の問題が大きく関与しています。
では睡眠の質を上げるには、一体どんな方法があるのでしょうか?
調べてみると、生活リズムを整えるとか、寝具を変えるとか、体を温めるとか、それこそ無数に出てきますよね。(笑)
でも今回の記事でご紹介する方法は、その中でもおそらく「1番簡単!!」と誰もが思える方法ではないかなと思います。
何かをしながらでも出来る、「ながら作業の睡眠テクニック」
本当に簡単なことなので、ぜひ参考にしてみてください!
1.寝る前に『10分換気』するだけ!!
「えっ?換気するだけ?」と驚かれた方もいるかも知れません。
でも一方で、「本当に簡単だ!」と思われたことでしょう。
寝る前の5~10分間、寝室の窓を開けるなどして換気するだけ、
もしくは就寝中に窓やドアを開けておくor換気扇を使用するだけ、で良いのです。
これなら、軽いストレッチをしながら・・・、本を読みながら・・・
と好きなことをしながらできる、ビックリするくらい簡単な方法ですよね。(笑)
では睡眠の質を上げるために、なぜ換気が有効なのでしょうか?
1-1:『二酸化炭素』の量を減らすことが目的
部屋を閉め切りの状態にし、換気が滞ると、部屋の中に二酸化炭素が溜まります。
健康的に過ごすための二酸化炭素濃度の基準値は1000ppmまでとなっています。
朝まで換気扇も使用せず、窓やドアも閉め切った寝室の二酸化炭素濃度はそれを大きく上回り、4000ppmにまで達すると言われています。
二酸化炭素の濃度は高くなるにつれ、人体に悪影響を及ぼすことになるのです。
1-2:『高濃度の二酸化炭素』による心身の不調
朝、起きた時に「なんだか体が疲れている」といった不調を感じる方はいませんか?
それはもしかしたら、寝室の二酸化炭素濃度と関係があるのかも知れません。
例として、二酸化炭素の濃度が高くなると現れる、不調のサインをいくつか挙げてみます。
①頭痛
②集中力の低下
③倦怠感
④耳鳴り
⑤めまい
⑥吐き気
このような心身の不調(ストレス)を抱えて眠っても、当然、質の良い睡眠は得ることができません。
二酸化炭素の溜まった環境で寝ると不調をきたす→不調をきたしているから眠れない→眠れないから不調をきたす・・・
このような悪循環が生じてしまいます。
そのためにも、睡眠の質を向上させるには、「寝る前や就寝中の換気をおこない、二酸化炭素の濃度を下げること」がとても大切なのです。
もしかしたら「エアコンをかけた部屋で寝るのは苦手。窓を開けて寝た方がぐっすり眠れる」なんていう人は、もう自然にこの方法が実践できているのかも知れませんね。(笑)
これは、科学的にも証明された実際の研究例がありますので、次の章で見ていきましょう!
2.『睡眠の質』と『換気』の関係性を示した研究
実際にデンマーク工科大学では、「換気の環境が違う寝室では睡眠の質にどんな差が出るのか?」を研究した結果が出されています。
2-1:研究の方法
★デンマーク工科大学における研究
対象:30代の男女
方法:2つのグループに分け、以下の違った環境の寝室で眠ってもらう。
A:窓を開けたり専用のファンを使用して、換気の整った寝室で眠るグループ
B:朝まで換気せずに、閉め切った状態の寝室で眠るグループ
※どちらのグループも室温については同じ状態で実施。
期間は1週間です。
これにより寝室内の二酸化炭素の濃度をモニタリングし、睡眠の質との関連性を調べました。
さてさて、気になる結果は・・・
2-2.研究の結果
1週間の研究期間を終えた結果は、Aグループは、bグループよりも、
「リラックスできた」「よく休めた」「翌日の目覚めが良かった」「さわやかに起きられた」という人が圧倒的に多かったのです!
また個人的な感覚で公平さを欠かないよう、GSQS(フローニンゲン睡眠品質尺度=睡眠の質を測る尺度のこと)を使った結果でも、
やはりAグループの睡眠の質が良かったことが示され、科学的に有力な根拠となりました。
驚くのは、目覚めの際の快適さだけでなく、
「1日中、気分が良かった」「仕事での集中力が上がった」「日中の眠気がなかった」ということや、
「論理的な思考力を試したテスト」でもAグループの結果の方が優れていたということです。
この研究によって、「睡眠の質と換気には大きな結びつきがある」ということが、はっきりと示されました。
3.換気以外にもある!睡眠の質を上げる5つのテクニック
より良い睡眠を得るために、多くの人が色々な方法を試していると思います。
参考までに、換気以外の睡眠の質を上げる方法を5つご紹介しておきます!
3-1:スマホなどを閉じる
寝る前の最低1~2時間は、パソコンやスマホなどのブルーライトを避ける。
言わずと知れたテクニックですよね。
こうすることでブルーライト以外にも、スマホから得られる情報量の多さでパニックになっている脳を鎮めてあげることができます。
3-2:腸内環境を整える
味噌やヨーグルトといった発酵食品には、神経の高ぶりを鎮めてくれるだけでなく、良い腸内菌を増やしてくれます。
また、発酵食品には睡眠に必要なメラトニンの生成を助けてくれる作用があります。
さらにさらに、野菜の食物繊維を摂ることで腸内環境が整えられ、免疫システムの機能アップにつながります。
発酵食品は日本が誇るスーパーフード!
睡眠にもとんでもなくメリットのある代物なのです!
「食品だけでは摂取が難しい…」という方には、腸内サポート系の乳飲料やサプリもありますよ〜。
3-3:明日のリハーサル
寝る前に頭のなかで、明日の予定を立て、1日の流れを細かくリハーサルしてみます。
そうして予定を立てておくことで、明日への不安が軽減されて気持ちが落ち着き、脳が安心して休める状態につながるのです。
さらに時間があれば、組み立てた明日の予定を紙に書き出してみましょう!
心の中のゴチャゴチャが、紙に書き出すことで整理され、スッキリしますよ!
3-4:感情を整理する
今日1日で感じてきたこと、今自分の中にある感情などを書き出します。
これも今さっき説明した「紙に書き出す系」のテクニックです。
どんな紙でもいいのでとにかく思いつくまま書き出して、自分と向き合うことをしましょう。
書いた紙は最後に捨ててしまって大丈夫です。
迷いや感情を整理することで、気持ちを落ち着かせて眠ることができますよ!
3-5:森林浴をする
これは換気と同じ効果があります。
「換気=新鮮な空気を取り入れること」でしたね。
つまり、森林など自然の中の、そもそも空気の良い環境に身をおけば、心身の安定につながることになります。
毎日は難しくても1週間に1回森林浴をすることで、夜の眠りだけでなく、日中の集中力が向上する効果も期待できる方法です。
あくまでも参考でしたが、色々な方法を試してみて、自分自信にあったやり方を見つけてみるのも良いかも知れませんね。
まとめ
「寝る前に換気をするだけで睡眠の質が上がる」
今回はとても簡単にできる睡眠の質を上げる方法をご紹介しました。
ですがこれだけで睡眠の質が上がるとは、意外に知られていないのではないでしょうか?
でもきちんと研究がなされ、根拠を聞くと、「なるほど!」と納得できます。
しかも何かをやりながらで良いなんて、めんどくさがり屋からしたら最高ですよね?(笑)
換気するだけで、翌日の気分や、集中力の必要なパフォーマンスにまで良い影響をもたらしてくれるなら、やってみる価値は大いにありです!
ただ、もし防犯上などの理由で、「窓やドアを開けることにちょっと抵抗のある…」という人もいると思います。
そんな人は、空気品質モニター機能のついた空気清浄機なども活用してみると良いかもしれません。
イマドキの空気清浄機って湿度や温度の管理だけじゃないんですよ〜。
空気中の化学物質の量がどのくらいなのか、ホコリがどのくらい舞っているのか、換気の必要なタイミングがいつなのかなど、細かい部分まで教えてくれる製品もありますから。
近年のコロナ禍という世情も合わせると、昼の仕事中にも1~3時間くらいの換気を取り入れ、感染症対策と思考力の維持向上につなげると良いのではないでしょうか?
昼夜問わず気持ちの良い環境を整え、健康的な生活を送りましょうね!
【参考文献】