はじめに:イントロダクション
最近、健康やダイエット、美容などさまざまな分野で「たんぱく質をきちんととることが大切である」ということがいわれるようになってきましたね。
その中でたんぱく質を効率的に取ることができるプロテインを飲む人が増えてきています。
一方で、「プロテインは飲まないほうが良い!」という人もいます。
今回はそんな「プロテインは飲まないほうが良い」という人たちに関して解説してきたいと思います!
1.プロテインは飲まないほうが良いのか?
1-1:プロテインとは?
本題に入る前に「プロテイン」という言葉の意味を確認しておきたいと思います。
プロテインという言葉は主に2つの意味で使われています。
1つ目は「たんぱく質」という意味です。
プロテイン(protein)は英語で「たんぱく質」という意味の単語です。
そのため、たんぱく質のことをプロテインと表現することがあります。
2つ目はたんぱく質をとるための「サプリメント」のことをプロテインと呼びます。
一般的には後者(サプリメント)の意味で用いることが多く、プロテインと聞くとこちらを思い浮かべる人が多いと思いのではないでしょうか?
この2つの意味はしばしば混同されることが多いので、本記事では誤解を避けるために「プロテインサプリメント」という言葉を用いることにしますね。
1-2:『プロテインを飲まないほうが良い!』という意見
さて本題に戻って、「プロテインは飲まないほうが良い」ということについて考えていきます。
「プロテインは飲まないほうが良い」という意見のほとんどが、「たんぱく質を取りすぎることによって起こる問題」を取り上げていることが多いです。
つまり、「プロテインは飲まないほうが良い」という主張は『タンパク質の過剰摂取』に対する注意喚起であると捉えることができます。
2.『プロテインを飲まないほうが良い!』といわれる具体的な理由
プロテインを飲まないほうが良いといわれる理由を具体的に見ていきます。
たんぱく質を過剰にとることでおこる問題として取り上げることが多いのは次の3つです。
1.太る
2.たんぱく質のとりすぎは肝臓や腎臓に悪い
3.腸内環境が悪くなる
ここからはそれぞれについて詳しく解説していきます!
2-1:太る
まず、「たんぱく質をたくさんとると太る!」という意見についてです。
まず、この指摘は間違ってはいません。
しかし、それはたんぱく質でなくともどの栄養素でも同じです。
ただ、たんぱく質は他の栄養素に比べて脂肪になりにくいことが知られています。
そのため、「プロテインを飲むことで太る」という場合には、そもそも普段の食生活を見直してみたほうがよいかもしれません。
2-2:タンパク質のとりすぎは肝臓や腎臓に悪い
次に、タンパク質の取りすぎは肝臓や腎臓に悪いという主張です。
タンパク質は体に消化吸収される際に「アンモニア」と呼ばれる有害な物質を伴います。
アンモニアは肝臓で人体に無害な尿素に変えられた後、腎臓によって尿として体外に排出されることになります。
そのため、タンパク質を過剰にとることで肝臓や腎臓へ負担がかかるという主張です。
この主張に関しては確かに、「肝臓や腎臓に障害がある人」には当てはまります。
しかし、それ以外の健常な人には当てはまらないことが後に紹介する研究でもわかっています。
詳しくは後ほど解説しますね!
2-3:腸内環境が悪くなる
最後に「腸内環境が悪くなる」ということです。
代表的なものを上げると「おならが臭くなる」というふうにいわれることも多いです。
これは動物性のタンパク質が大腸内の悪玉菌の餌になることが原因だといわれています。
大腸には善玉菌と悪玉菌、そしてどちらにも属さない日和見菌といわれる菌がいます。
この善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れることで、腸の働きに異常をきたす可能性があります。
こういった事態を避けるためには工夫してプロテインを正しく飲む必要があります。
また、普段から肉ばかり食べているなどのタンパク質に偏った食事をせずに、穀類や野菜もしっかりとることが重要ですよ!
3.『プロテインは飲んでも良い!』という意見について
さて、以上をふまえて「結局、プロテインは飲んでも良いのか?」という疑問について考えていきます。
結論からいうと、あなたが健康であるならプロテインを飲むことは問題ありません。
なぜなら、「プロテインをよほど意識して摂らない限り、過剰摂取になることはないから」です。
ただ、注意しなければならないこともあります。
3-1:適切な摂取量
まず、適切な摂取量であることです。
もちろん、プロテインを書いてある飲み方にしたがって飲んでいるなら問題ないと思います。
しかし、プロテインに限らずサプリメントは異常な過剰摂取を可能にしてしまいます。(飲みやすいですし…..)
大丈夫かとは思いますが、もしあなたが摂取目安の何倍もの摂取量をとっているならすぐに減らしたほうが良いです。
たんぱく質の摂取目安に関してはこの後紹介しますので、参考にしてください!
3-2:健康であることが大前提
次に、あなたが健康であることが前提であるということです。
たとえば、あなたが腎臓に問題を抱えているならプロテインを飲むことを控えたほうが良いです。
特にあなたが医者からプロテインを飲むことを控えるようにいわれているなら、それに従いましょう。
4.タンパク質の摂取目安
さて、ではタンパク質の摂取量の目安について知ることで、タンパク質の過剰摂取に関する不安を解決しましょう!
個人差はありますが、これから紹介する基準の範囲であればプロテインを飲むことは問題ないです。
一般的にタンパク質の摂取目安は自分の体重1キロあたり1グラム程度とされています。
つまり、あなたの体重が60キロであれば60グラムが摂取目安です。
必要なタンパク質の量は運動をする人の場合、運動をしない人に比べて多くなります。
運動を行う人、体重1キロあたり1.2~2.0グラムがタンパク質の摂取目安です。
また、1日の摂取量は1回の食事でとるのではなく、3食に分けてとることが重要です。
1回の食事で消化吸収できるタンパク質は20~30グラム程度だといわれています。
そのため、例えば60グラムのタンパク質をとる場合には20グラム×3回で取るなどの工夫が必要です。
これらの基準を守っている場合には「プロテインは飲まないほうが良い」という意見を気にしすぎる必要はないでしょう。
5.研究の紹介
5-1:高タンパクな食事による影響の研究
「高タンパクな食事を続けても腎臓への影響はなかった」というプロテイン愛好家にはたまらやち研究結果を紹介します。(笑)
この研究は「普段からトレーニングをしている男性」を対象としておよそ1年間行われました。
つまり数年間のトレーニングの経験があり、普段から高タンパクな食事をしている人を対象としています。
被験者は超高タンパクな食事(体重1キロあたり3グラム以上)と高タンパクな食事(体重1キロあたり2.5グラム程度)をそれぞれ合計6ヵ月ずつ摂取しました。
この高タンパクな食事と超高タンパクな食事を比較しました。
てさて、気になる研究の結果は・・・
5-2:研究結果
研究の結果、体重1キロあたり2.5グラム~3.3グラム程度の高たんぱくな食事による身体への有害な影響は見られませんでした。
この結果は、トレーニングをしている人の高タンパクな食事が安全である根拠になり得るでしょう!
5-3:研究に関する諸注意
ただし!紹介した研究に関して注意しなければならないこともあります。
まずこの研究では高タンパクな食事をする人として運動をする人を対象としている点です。
そのため、普段あまり運動しない人に適用できない可能性があります。
また、研究の対象となった人は普段から高タンパクな食事をしています。
なので、今現在あまりタンパク質をとっていない人が、「いきなり研究のような高タンパクな食事をとっても大丈夫である」というわけではありません。
6.プロテインを飲む場合の注意
今まで「プロテインは飲まないほうが良い」という主張に対して「タンパク質の過剰摂取」9という視点で見てきました。
しかし、プロテイン自体に対する問題もあります。
あと少し、プロテイン自体が抱える問題も見ていきたいと思います。
6-1:体質に合わない可能性がある
プロテインにはいくつか種類があります。
そのなかにはあなたの体質に合わないものもある可能性があります。
たとえば、ホエイプロテインです。
ホエイプロテインは吸収が早いことから、トレーニングをする人から支持を得ています。
しかし、ホエイプロテインは牛乳由来のプロテインです。
そのため、乳製品にアレルギーがある人は飲まないほうが良いでしょう。
自分の体質にあったプロテインを選ぶ必要がありますね!
6-2:きちんとしたプロテインを選ぶ必要がある
プロテインにも様々なコンセプトがあります。
なので、あなたの目的に合わせて選ぶ必要があります。
また、信頼できる商品(ブランド)を選ぶことをおすすめします。
世の中には品質の保証されていなかったり、体にあまりよくない添加物を含んでいたりするプロテインも存在します。
あまり信用できない商品(ブランド)を買うことは避けたほうが良いでしょう。
6-3:プロテインの飲み方には気を付ける
プロテインサプリメントは効率的にタンパク質をとることができます。
そのため、普通の食品からの摂取ではできないような無茶な量のタンパク質をとることができてしまいます。
プロテインはくれぐれも飲み方をきちんと守って飲みましょう!
6-4:急に増やさない
また、急激にタンパク質の摂取を増やすこともおすすめできません。
プロテインを飲み始める場合には少量から試していき、慣れてきたらだんだんと増やしていく。
もちろん、プロテインの量を増やすなら、それに応じて運動量も増やすことをお忘れなく!
まとめ
・高タンパクな食事による悪い影響はあまりないと考えられる
・プロテインの飲み方には気を付けたほうが良い
・プロテインは自分の目的や体質にあったものを選ぶ必要がある
本記事でもお話しした通り、プロテインは世間で思われているほどの悪影響はほとんどありあません!
あるとしたら、腎臓や肝臓に障害がある方。
それ以外の人たちは特に心配し過ぎる必要はないでしょう。
まずは、パッケージやフレーバーなどで気になったプロテインがあれば、勝ってみるのも面白いかもしれませんね!
【参考文献】